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テレワークのデメリットとは?成功企業から学ぶ、導入事例とポイント

テレワークのデメリットとは?成功企業から学ぶ、導入事例とポイント

働き方改革の一環としてテレワークを導入する企業が増加しています。時間や場所にとらわれず生産性の高い働き方を実現できるテレワークですが、一方で管理の煩雑さをはじめとしたデメリットも多くあるといわれています。

テレワークの導入を検討するにあたり、これらのデメリットによる経営への悪影響はできるだけ避けておきたいところ。そこで今回はテレワーク導入におけるデメリットをクローズアップし、対となるメリットも含めながら導入すべきか否かの判断材料となるようなポイントを解説いたします。

5分でわかる「テレワーク」とは?導入検討する方に事例を元に解説

もしも、テレワークの導入を前向きに検討し始めている方がいらっしゃいましたら、関連記事「5分でわかる『テレワーク』とは?導入検討する方に事例を元に解説」をご覧ください。テレワークの導入ステップや豊富な情報をまとめています。

 

そもそもテレワークとは

まずテレワークとは何なのかについて簡単にご説明します。一般社団法人日本テレワーク協会によると、テレワークとは以下のように定義されています。

テレワークとは、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
テレワークは働く場所によって、自宅利用型テレワーク(在宅勤務)、モバイルワーク、施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)の3つ分けられます。

(引用元:一般社団法人日本テレワーク協会

要するに、ICTを活用して在宅勤務やサテライトオフィスなどの本来の仕事場以外の場所で就業すること、およびその就業形態を指しているのです。テレワークを利用して働く人をテレワーカーと呼ぶこともあります。

うまく導入すれば経営者側・社員側双方に大きなメリットをもたらします。ただし、導入から定着までかなりの時間を要することや現場の意識改革を行う必要があることなどから、効果を発揮するまで時間がかかると言われています。

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本記事下部にもある「ゼロから学べるテレワーク導入完全ガイド」では、テレワークの基礎から導入手順、実施後の評価・改善方法まで、どこよりもわかりやすく解説しています。よろしければこちらも合わせてお読みください。本資料のダウンロードはどなたでも無料で行えます。

テレワークが注目される背景

テレワークはなぜ注目されているのでしょうか。この章では、その具体的な背景を説明します。

①働き方改革の推進

次の章でも詳しく説明しますが、テレワークが注目されている背景には働き方改革の推進があります。2012年に発足した安倍政権が掲げた「アベノミクス」の成長戦略の中にテレワークも含まれており、そこから助成金制度の整備といった具体的な施策も始まっています。

②女性の活躍

少子高齢化などの社会背景を受け、働き手は年々減少し続けています。中でも多くの女性は、出産や育児・介護といったライフイベントを理由に未だに離職をせざるを得ないという状況下にあります。そのため、女性が育児中、および介護中にも働ける環境があることは、企業にとって人材不足を解消する手段になるといえるでしょう。

③ICT環境の整備

テレワークの導入が進む昨今では、在宅での勤務もオフィスで勤務している場合とほとんど変わらない環境を作ることができるICTツールの普及が進んでいます。

例えば、オンラインでいつでも・どこでも会議に参加できるWeb会議システムやテレビ会議システムといったツールの活用ができます。また最近では、導入コストも低くなってきているため、大手企業だけでなく中小企業にとっても導入のハードルは下がってきたといえます。

以上に挙げた3つの要因が、テレワークが注目されている背景の一要素となっています。

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テレワークで活用すべきICTツールは多様であるとはいえ、導入の際は自社に合ったものを選ぶ必要があります。「課題別に選べる!コミュニケーションツールまとめ」では、テレワークに使えるICTツールについて詳しく選び方を解説しているので、ツールの選択にお困りの方はお読みください。資料のダウンロードはどなたでも無料で行えます。

テレワークの現状・普及率

では、テレワークが現在どの程度普及しているのかを見てみましょう。総務省が令和元年5月30日に発表した通信利用動向調査によると、企業におけるテレワークの導入状況は19.1%と、約5社に1社がすでに何かしらの形でテレワークを導入しています。それに加えて7.2%が導入予定ありと回答しており、この数値は年々増加しています。中でも情報通信業や金融・保険業は全体の4割近くの企業が導入済みとなっており、これらの業界における関心の高さがうかがえます。

テレワークの導入状況

出典:総務省「平成30年通信利用動向調査ポイント

これだけ多くの企業へ導入が進んでいるテレワークですが、すべての企業がその効果を実感しているかといえば決してそうではありません。

独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成28年3月31日に発表した「労働時間管理と効率的な働き方に関する調査」によると、ICTの活用に伴う従業員の総実労働時間数の変化についての質問に対し「変わらない」とする回答が72.3%を占めています。必ずしもテレワークの導入が働き方改革につながっているわけではないようです。

テレワークのデメリット

テレワークの導入が生産性向上にうまくつながらない要因として、テレワークの持ついくつかのデメリットが挙げられます。ひとつずつ具体的に見ていきましょう。

デメリット1:情報漏洩のリスクが高まる

テレワーク最大のデメリットはこの情報漏洩のリスク増大ではないでしょうか。

テレワークは文字通りテレ(遠隔地)でワーク(働く)することです。業務を行う場所は自宅やカフェ、コワーキングスペースといったオフィス以外の場所が一般的。中には公園や図書館などのパブリックスペースで業務を行うケースもあります。このような場所では情報漏洩のリスクが一気に高まることはいうまでもありません。

また、不注意による盗難で機密情報を紛失してしまう事件も各地で発生しており、パソコンを外部に持ち出すことの危険性も指摘されています。

考え得るさまざまなデメリットに対して、総務省は「テレワークセキュリティガイドライン」を設け、テレワークにおける情報セキュリティ対策のポイントを紹介し、啓蒙活動を開始しています。

対策

上述した「テレワークセキュリティガイドライン」によれば、ルール・人・技術のバランスが取れた対策を施すべきだと解説しています。一例として、VPNやプライベートクラウドなど技術的な対策ばかりを優先し、従業員に対する情報セキュリティ教育をおろそかにしてしまった場合、会社のセキュリティレベルは低い方(従業員のレベル)のままになってしまうのです。

対策に成功した企業事例|株式会社ポニーキャニオン

株式会社ポニーキャニオン

出典:株式会社ポニーキャニオン

リモートで活動する制作、宣伝部門の社員にポケットWiFiを貸与。セキュリティ上推奨されないカフェや無料WiFiなどからのアクセスを禁じ、ポケットWiFiをアクセス回線とすることでセキュリティを確保しています。

同社はテレワーク・デイズ2019にも参加し、今度も継続してテレワーク導入に取り組んでいくことを宣言しています。

テレワークのセキュリティ対策に必要な7つの施策とツールを解説

「テレワークセキュリティガイドライン」に基づき、関連記事「テレワークのセキュリティ対策に必要な7つの施策とツールを解説」では企業が取るべきセキュリティ対策について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

デメリット2:上司の目が無いためサボってしまう

テレワークで働く従業員側から見ると、うるさい上司の目が届かない環境で働けるというのは大きなメリットです。しかし、逆に「少しぐらいサボってもバレないだろう」という心理が働くのも事実。サボりは言うまでもなく生産性の低下につながり、テレワークの導入を阻害する大きな要因にもなり得ます。

テレワーク導入の課題

出典:中小企業の「テレワーク」実態調査

エン・ジャパン株式会社が行った中小企業の「テレワーク」実態調査によると、テレワーク導入の上で難しかったことの上位に「テレワーク社員の時間管理」を挙げており、多くの企業がこの問題に苦労している様子がうかがえます。

対策

サボり防止対策として最も有効なのは、パソコンへのログイン状況や仕事内容を遠隔で管理できるツールの導入です。稼働時間だけでなく使用したアプリの時間管理や画面キャプチャができる機能を搭載した管理ツールもあり、サボり防止に一役買っています。

さぼり!在宅勤務で一番気になるその実態

テレワークで懸念される従業員のサボりへの対処方法については、関連記事「さぼり!在宅勤務で一番気になるその実態」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

対策に成功した企業事例|パーソルホールディングス株式会社

パーソルホールディングス株式会社

出典:パーソルホールディングス株式会社

グループとしてテレワークや育児時短を積極的に推奨しているパーソルホールディングス株式会社実際の労働時間とパソコンの稼働時間を照合できる仕事の可視化ツールを導入し、従業員の勤怠状況の把握を行っています。

これにより、どれくらいの時間を使ってどのような仕事をしているかという把握が可能となり、生産性向上と働き方改革の両立を実現しています。

デメリット3:部下のマネジメントがしにくくなる

かの有名なピーター・ドラッガー氏は、その著書「マネジメント 基本と原則」にてマネジメントに必要なスキルを以下5つ挙げています。

  • 目標設定力
  • 組織化力
  • コミュニケーション力
  • 評価測定力
  • 問題解決力

従来の組織において、これらのスキルは上司の管理できる範囲内において有効であり、テレワークにより新しい働き方が広がるとマネジメントが非常に困難になってくる危険性をはらんでいます。というのも、これらのスキルは会社や組織の一体感を基に発揮されることが多く、上司から見ると「目に見えない場所」で仕事をしているテレワーカーは一体感を持たせるのに苦労するのです。

対策

「目に見えない場所」にいる従業員に組織の一体感を持たせるためには、リアルタイム双方向のコミュニケーションツール導入が必要不可欠です。まるでオフィスの隣の席にいるかのようなツールであれば、「目に見えない場所」がたちまち「一緒のオフィス」で仕事をしている環境に変化します。これなら日々のマネジメントにも支障をきたすことはないでしょう。

テレワーカーのコミュニケーション確保のための対策

出典:平成30年版 情報通信白書のポイント

総務省による「平成30年版 情報通信白書のポイント」では、テレワークによる働きやすい職場の実現のために行う「テレワーカーのコミュニケーション確保のための対策」としてビデオ会議システムの導入やチャットツールの導入が多数を占めています。このようなツールによる環境整備がマネジメントやコミュニケーションといった課題解決のカギとなるのは間違いないようです。

対策に成功した企業事例|システージ株式会社

システージ株式会社

出典:システージ株式会社

ネットワーク構築やセキュリティ対策事業を手掛けるシステージ株式会社。福岡県北九州市に本社を置き、福岡市にもオフィスを設け業務を行っています。離れた2拠点同士のコミュニケーションに課題があった同社はリアルタイム双方向コミュニケーションツールとしてWeb会議システムを導入し、常時接続による空間共有を実現。

サテライトオフィスにいる上司が離れたオフィスにいる部下4~6人のマネジメントを支障なく行える体制を構築しました。

デメリット4:チームワークが悪くなる

デメリット3とも関連がありますが、テレワークの拡大により従業員同士が顔を合わせる機会が減ることで、コミュニケーションの頻度が減りチームワークに支障をきたしてしまうことがあります。

GoogleやFaebookといった大手企業におけるチームビルディングの手法ですが、セーリングやゴーカート、インドアゴルフなど「社員が一か所に集まってやるイベント系」が主流です。日本でも飲みニケーションに代表されるような交流によりチームが形成されていくという伝統があります。

テレワークを導入するとこのようなイベント系チームビルディングが困難となるため、チームワークの悪化は避けられないとする意見が多いのでしょう。

対策

チームワーク悪化を避ける最も有効な方法は、テレワーカー同士でチームを組むことです。チームビルディングの基本である「同一の環境で働く」という要素をテレワーカーというカテゴリーでくくり、テレワーカーが集う拠点づくりを行うと良いでしょう。

対策に成功した企業事例|株式会社ソニックガーデン

株式会社ソニックガーデン

出典:株式会社ソニックガーデン

東京の世田谷に本社を置き、ウェブアプリの受託開発を手掛ける株式会社ソニックガーデン。第19回テレワーク推進賞 「特別賞」を受賞した同社は、リモートで働く社員をチーム化した「リモートチーム」の構築を行い新しい働き方に取り組んでいます。

具体的には、オフィスの他に自由が丘に大きめのマンションを借り上げてワークスペースとし、社員が使えるコワーキングスペースのような位置づけでテレワークを推進。リモートであるため出社の必要は無く、気が向いた時に利用するといったような使い方を推進しています。

これにより完全なテレワークではなくコミュニケーションを図れるテレワークとしてチームビルディングも可能となり、チームメンバーの協調が必要な業務も遂行できるようになりました。

デメリット5:コミュニケーションが減る

テレワーク社員の増加はコミュニケーションの減少につながるというのは何度も繰り返し述べてきたことです。実際、メルカリやウォンテッドリーといった時代の先端を行くIT企業ですら、「対面でのコミュニケーションを重視するためテレワークは禁止している」としているほどです。

確かにフェイスtoフェイスのコミュニケーションに勝るものはありません。どれだけITツールが発達しようとも、実際に顔を合わせてのコミュニケーションにはかなわないなというのが多くの企業の意見でしょう。

対策

フェイスtoフェイスのコミュニケーションはその気軽さが魅力です。オフィスですれ違う時の「最近どう?」のようなたわいもない会話が意外と重要です。となれば、そのような会話ができるツールを導入すればコミュニケーション不足解消に役立ちます。

例えばビジネスチャット。電子メールほど堅苦しいやり取りを必要とせず、気軽に他の従業員と会話を行うことができます。

対策に成功した企業事例|株式会社HBLab

株式会社HBLab

出典:HBLab

株式会社HBLabはベトナムに本社を置き、東京を神奈川に日本オフィスを設けて日本企業向けのオフショア開発事業を行っている会社です。

同社は社内のコミュニケーションツールとしてChatworkを導入。ユーザー名にニックネームを付けてやり取りするといった活用を行い、手軽なコミュニケーションツールとして定着させることに成功しました。

【最新】社内コミュニケーションツール7選!メリットや注意点も解説

テレワーカーとオフィスで働く従業員とのコミュニケーションを円滑にするためには、社内コミュニケーションツールが必要不可欠です。関連記事「【最新】社内コミュニケーションツール7選!メリットや注意点も解説」で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

デメリット6:従業員間・部門間で不公平感が出る

テレワークを部門ごとあるいは育休社員のみといった一部の社員に限定して導入した場合に起こり得るデメリットです。

テレワークのメリットである「通勤しなくてよい」「好きな場所で働くことが出来る」といった部分のみをとらえ、「あいつは楽しているのに俺は…」といった具合に不公平だと感じてしまう従業員が出てきます。

現在では自由な働き方を推進する代表的な企業であるサイボウズ株式会社でも、テレワーク導入時は社員の不公平感を解消するために四苦八苦したそうです。

対策

理想としては、全社員がテレワークを利用できる環境の構築を行うことがベストです。ただし、コストや仕組みづくりに相当な負担が発生するため、なかなか現実的ではないでしょう。

次善の策としては、「テレワーク導入により全社員の生産性が向上する」ことを理解させるような機会を設けることではないでしょうか。

テレワークを成功させるカギは社員の意識づけであるとする企業もあるほど、社員の理解促進は重要です。トップメッセージや社内イベントを通じた啓蒙活動を繰り返し実施することにより、社員の不公平感を解消することが近道であるといえます。

デメリット7:本拠地側の社員に負担がかかる

デメリット6の不公平感にも通じますが、本拠地(オフィス)で勤務している社員に負担がかかるというのもデメリットのひとつです。

中でも特徴的な例として電話対応が挙げられます。会社にかかってきた電話は原則としてオフィスにいる社員が対応します。電話応対の都度進行中の作業を中断しなければならないため、生産性が低下します。テレワークで働く場合は電話応対の必要が無いため、仕事に集中することが可能であり本拠地側の社員と比べて生産性が高くなるのです。

対策

かかってくる電話をブロックすることは不可能である以上、取り得る方法は2つです。電話応対専用の人員ないしはアウトソーサーを活用すること、もうひとつは転送などによりテレワーカーも電話応対を行うようにすることです。

ただし、どちらも生産性という点ではメリットがありません。次善の策として、取引先などからの電話を減らす、つまりchatbotの導入やビジネスチャットを使ったやり取りを推奨するといった対策が良いでしょう。

テレワークのメリット

とはいえ、テレワークがこれだけ普及している背景には、デメリットばかりでなくそれを上回る大きなメリットがあるからに他なりません。テレワークを導入するメリットとして以下のような内容が挙げられています。

メリット1:交通費・出張費などの経費削減

テレワーカーは通勤交通費が不要となります。また、環境さえ整えば全国どこでも業務を行うことが可能です。これにより交通費や出張費などの従業員の移動コストが削減できます。

他にもオフィススペースの削減や時間外手当の削減など、さまざまなコスト削減効果が見込めます。

厚生労働省が委託し運営しているテレワーク相談センターによると、テレワークによるオフィスコスト削減の事例として年間約1,500万円のオフィスコスト及び年間約3,000万円の時間外手当コストを削減した企業もあるとのです。

【事例付き】5分でわかるコスト削減!必要なポイントや実施手順などを解説

関連記事「【事例付き】5分でわかるコスト削減!必要なポイントや実施手順などを解説」では、「自社のコストを削減するのは難しいのではないか」とお考えの方に、実施すべきポイントをわかりやすく解説しています。あわせてお読みください。

メリット2:企業イメージの向上

テレワーク導入による働き方改革を進める企業は、いわゆるホワイト企業と見られることが多くあります。一般財団法人 日本次世代企業普及機構が主催する2018年 第3回 ホワイト企業アワードではテレワーク部門が設立されるなど、各社積極的に働き方改革への取り組みをアピールしており、テレワークの導入がイメージ向上に一役買っていることがうかがえます。ワークライフバランスが重視される採用時のブランディングとしてもテレワークは有効な手段と言えるでしょう。

メリット3:災害時のリスクを分散

万が一大規模災害が発生して本社や支社が壊滅的な被害を受けた場合でも、被害のない地域で働くテレワーカーにより経営への影響を最小限にとどめることが出来ます。システムの負荷分散と同様に、人的リソースの負荷分散を行えるということです。また総務省では、新型インフルエンザなど感染症への対応策としても有効だと判断されています。

メリット4:離職率の低下

時間や場所にとらわれない柔軟な働き方であるテレワークは、従業員にとってワークライフバランスを実現するために欠かせない制度です。ワークライフバランスを実現すると従業員は会社に対する不満が減少し、「長くこの会社で働きたい」と考えるようになります。

実際に総務省主催の平成29年度テレワーク先駆者百選に選ばれた「株式会社ガイアックス」では、2015年度に38%あった離職率がテレワークを導入した翌年2016年度には8%にまで下がりました。

担当者が押さえておくべきテレワークの5つのメリットを事例付きで解説

テレワークのメリットについて詳しく知りたい方は、関連記事「担当者が押さえておくべきテレワークの5つのメリットを事例付きで解説」で解説してありますので、こちらをご覧ください。

テレワークは導入すべきか

テレワークによるメリットデメリットを一通り見てみましたが、どれもなるほどなと思わせる内容ではないかと思います。このような場合、メリットデメリット双方を見比べた上で0か100かの決断をするという判断になりがちです。しかしテレワークはある程度限定的な運用を行うことでメリットを最大限に生かしデメリットを最小限にとどめるという方法があります。

効果が高い部門・人に限定的に導入する

テレワークを導入するにあたり、全社一斉に適用するのではなく部門や人を限定して適用するというのが多くの企業で実践されている導入方法です。

例えば育休(産休)対象の社員に限定する、あるいは人事や総務などの管理部門に限定するといった具合に、比較的テレワークに馴染みやすい部門や人から順次制度を適用していくとよいでしょう。

ICTツールを効果的に使う

テレワークを効果的に運用するためにはICTの活用は必須です。メッセンジャー(チャット)やWeb会議システムのようなコミュニケーションツールの他、プレゼンス管理ツール、スケジュール管理ツールなどを組み合わせて運用することが大切です。

あわせて、仮想デスクトップ環境やクラウドアプリ、セキュアなPCの貸与など、ハード面の整備も並行して行うべきといえます。

以下では、テレワークを効果的に運用するためのお役立ちツールを紹介します。紹介するツールはどれも多くの企業で導入されているICTツールの中では代表的なものであり、高い機能性を期待できます。テレワークにおけるコミュニケーション課題にお悩みの方は、ぜひ導入をご検討ください。

①Web会議ツール

V-CUBE ミーティング

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「V-CUBE ミーティング」は、どなたでも安心して活用できるHD対応の映像と高い接続性を誇る、高品質のクラウド型Web会議サービスです。

世界最高水準の映像通信品質と、テレビ会議や他者の業務管理システムとの連携が可能であるという、ユーザー目線に沿った大きな特徴があります。サービスはグローバル対応しており、翻訳機能や7ヶ国語以上で海外専用のネットワーク環境も用意されているため、海外展開している企業にも向いていると言えます。

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Zoom

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Zoom Video Communications, Inc,が提供している「Zoom」は、インストール後スムーズに利用することができるというのが大きな特徴で、非常に高品質な画像と通信スピードなどを高い技術力が強みです。また、無償版もあることから気軽にWeb会議を始めることができるのもその特徴です。

②チャットツール

LINE WORKS

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ワークスモバイルジャパン株式会社のサービスである「LINE WORKS」は、多くの人が利用しているLINEとさほど変わらぬ操作で使用可能であるという点が人気を呼んでいます。ボット機能が搭載されており、社内の人からの質問などにも自動応答してくれ、不明事項の解決にも非常に役にたつ機能が実装されています。

Chatwork

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Chatwork株式会社が手掛ける「chatwork」は簡易化されたチャット機能に加えて、タスク管理やビデオ機能なども実装されているツールです。対象企業は非常に幅広く、2019年3月段階で約22万社の企業に愛用され、企業の効率的なコミュニケーションの実現を後押しされています。 

③プレゼンス管理ツール

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C Channel株式会社が提供する「jinjier勤怠」は、多彩な機能を持った勤怠管理ツールです。パソコンやスマートフォン、タブレットはもちろん、前段落で紹介した「Chatwork」やICカードを用いての打刻も可能です。打刻漏れ防止のための機能も搭載されているため、スムーズな勤怠管理が望めるでしょう。jinjierを活用する企業は8000社以上にも昇ります。

ジョブカン

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株式会社Donutsが提供する「ジョブカン」は、導入実績4万社を超える勤怠管理システムです。従業員の有給休暇取得状況をリアルタイムで確認できる機能があるため、長時間労働を是正して働き方改革を徹底していきたい企業にとっては有用であるといえるでしょう。手持ちのデバイスやICカードなど、さまざまな打刻方法が使用できるのも魅力です。

④スケジュール管理ツール

サイボウズOffice

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株式会社サイボウズの「サイボウズOffice」は、中小企業向けに開発されたコミュニケーションツールです。このツールはチームメンバー全員のスケジュールが見られるだけでなくメッセージ機能も搭載されているので、さまざまなニーズに合わせて活用できることでしょう。2019年現在では導入企業は6万5千社以上になっており、注目が高まり続けています。

Googleカレンダー

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Google LLCが手掛ける「Googleカレンダー」は世界中で使用されているツールで、簡単に複数人とのスケジュールを共有できる上、Googleアカウントさえあれば無料で利用できます。シンプルかつ見やすいデザイン性が特徴的で、社内メンバーの予定はもちろんタスク管理も同時に行えます。

テレワークを成功に導く、企業担当者が導入するべきITツール22選

関連記事「テレワークを成功に導く、企業担当者が導入するべきITツール22選」では、テレワークで必須となるツールについて解説しています。詳細をお知りになりたい方は、ぜひこちらもご一読ください。

テレワークの成功事例

最後に、テレワークの導入により働き方改革に成功した企業の事例を3つご紹介します。在宅勤務制度導入とテレワークを組み合わせて運用し、労使が協調しつつ働く環境改善に向けて取り組んだという事例です。

横河電機株式会社:在宅勤務制度を導入しワークライフバランスを充実

横河電機株式会社

出典:横河電機株式会社

2016年4月に在宅勤務制度を導入した「横河電機株式会社」。入社4年目未満の社員と製造ラインに従事する社員以外を対象としています。同社は中期経営計画「Transformation 2017」の中でテレワークの活用による働き方改革の実現、中でも多様なワークスタイル構築に注力すると明言しており、労使委員会による議論や専用のイントラネットを構築し制度を推進しています。

在宅勤務の際支障となる社内との情報共有については、リモートアプリケーションや仮想デスクトップ(Virtual Desktop Initiative)を導入することでシームレスかつ高セキュリティな業務環境を実現。

またコミュニケーションツールとして Web 会議システムの導入を図り、社内にいるのと変わらない環境で業務を行えるようにしました。Web会議システムには着席中か否かというアイコンが画面に表示されるようになっており、着席中の場合はチャットなどを利用していつでもコミュニケーションが取れるという仕組みも採用しています。

結果として、現在では全社員の約10%にあたる300人前後が在宅勤務制度を利用し柔軟な働き方の恩恵を受けています。

株式会社流研:在宅勤務の導入をきっかけに社員の満足度も向上

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出典:株式会社流研

ソフトウェア開発などを行う「株式会社流研」では、従業員が保育施設などの不足や通勤時間の問題などの実情を相談したことがきっかけで、在宅勤務を導入しました。

導入後、従業員の満足度が上昇し「北海道働き方改革推進企業」や「札幌市ワークライフバランスplus取組企業」などに認定されるなど、働きやすい職場作りに取り組む先進的な企業として評判になりました。新聞社をはじめとしたマスコミ依頼も増えました。電話・メール・グループウェアなどを駆使することで、在宅勤務導入後も問題なく仕事が進められているといいます。

株式会社LiB:テレワークの導入で女性の活躍の場を創出

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出典:株式会社LiB

人材紹介業を行う「株式会社LiB」では、他の仕事をしながらでも正社員として働ける「メンバーシップオプション」制度を導入。子育て中の女性や地方在住の人材の活躍場も、提供しています。

具体的には勤務日数を週4日とし、勤務時間中に他社の業務を並行して行うことを認めました。 導入にあたって、オンラインツールを活用することで、在宅勤務であっても活発にコミュニケーションできるような環境へと整備しました。

その結果、従来の雇用条件では確保できない優秀な人材の確保に成功。「複業」を行う従業員が相互にいい影響を及ぼし、社員の定着にも成功しました。また、女性が働きやすい職場づくりに徹底して取り組む企業の好事例としてニュース番組で紹介されたこともあり、働き方改革推進の中で企業自体も成長するマネジメント方法に高い評価が集まっています。

企業が在宅勤務の導入を成功させるには?好事例25選と共に解説

別記事「企業が在宅勤務制度の導入を成功させるには?好事例25選と共に解説」にて、本記事よりも多くの事例を解説しています。あわせてお読みください。

ツールの導入でデメリットを解消できる

テレワークの導入においては、さまざまなツールを導入することで円滑な運営が可能となります。テレワークと従来の働き方との大きな違いは、従業員がオフィスにいるかいないかという点。フェイスtoフェイスでのコミュニケーションが取れないため、それを補うツールが必要となります。また、労務管理の面からも何かしらのツールが求められます。

ただし、ツールを導入したからといってテレワークが成功するとは限りません。ツールを使いこなすためのいくつかの「決まり事」をしなければならないのです。

例えばテレワークで行える業務の範囲を定めること。オフィス外でも可能な業務とそうでない業務を明確に切り分け、可能な業務のみテレワーク対応で行うという線引きが必要です。

会議や面談といったフェイスtoフェイスでのコミュニケーションが必要なケースは、新たにツールを導入すれば対応可能なものもありますので、事前にツールの洗い出しを行う必要があるでしょう。また、導入前の社内トライアルやサポート体制の構築といったことも念頭に置いておく必要があります。

まとめ|デメリットも正しく理解することで、効果的なテレワークの実現を

テレワークの導入にはいくつかのデメリットがあります。しかし、適切な導入と運用を心がければデメリットを最小化し大きなメリットを享受することも可能です。

これからテレワークを導入しようと考えている企業であれば、まずは限定的・段階的な導入を心がけ、ICTを効果的に活用しつつ社内に定着させることを目指してみましょう。

川本 凜
著者情報川本 凜

ブイキューブのマーケティング本部で広告運用を担当しています。