リモートワークとは?導入の事例や注意すべきポイントを解説

新型コロナウイルス感染拡大により、新しい働き方のスタイルとして急速に普及し、さまざまな企業でリモートワークは導入されました。

コロナ禍3年目の現在、リモートワークのメリットやデメリットを実感している人は多いのではないでしょうか。

本記事では、リモートワークの始め方、必要なもの、適した場所などの基礎知識の解説だけでなく、現状における各企業のリモートワーク実施率や生産性を高めるための環境整備のコツも紹介します。リモートワークを継続するための参考にしてみてください。

目次[ 非表示 ][ 表示 ]

リモートワークとは、場所や時間にとらわれない働き方

blog_what-is-remote-work_01

リモートワークとは、会社のオフィスから離れた場所(リモート)で、従業員が業務を行う勤務形態です。

自宅で作業をする「在宅勤務」をはじめ、コワーキングスペースやカフェなど場所や時間にとらわれない働き方を可能にします。

リモートワークを導入するメリット

企業がリモートワークを導入するメリットは、主に4つあります。

  1. 従業員の通勤時間の削減
  2. オフィスのコストを削減
  3. 育児や介護による離職率の低下
  4. 新たな人材の確保

リモートワークは出勤の手間がかからないため、通勤時間の削減につながります。また、全社員が出社する必要がないため、オフィスを縮小でき、家賃などのコストカットが可能です。

突発的な対応が必要とされやすい育児や介護をしている社員のライフスタイルに柔軟に対応しやすく、育児や介護を理由とした離職率の低下が期待できます。加えて、遠隔地に住む人や通勤が困難な人でも働けるため、場所にとらわれない新たな人材の確保も可能です。

リモートワークの実施率

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、さまざまな企業がリモートワークを導入しました。

しかし、コロナ禍3年目の現在、実際にどのくらいの割合の企業においてリモートワークは実施されているのでしょうか。リモートワークの実施率について下記の5つの観点で解説していきます。

  1. 全国の実施率の推移
  2. 首都圏と地方都市圏の比較
  3. 従業員数別の比較
  4. 実施回数の比較
  5. 業種別の比較

リモートワーク実施率の推移

まず、全国平均でのリモートワーク実施率の推移を解説します。

国土交通省の調査によれば、2020年度の雇用型就業者におけるテレワーカーの割合は19.7%。この数字は、前年の9.8%の約2倍に当たる数字です。

テレワーカーの割合

(出典)国土交通省

また、2020年の間にも実施率は変化しています。実施率は1度目の緊急事態宣言中(2020年4~5月)に大きく増加し全国平均で20.4%に達しましたが、宣言解除後の8~10月には16.4%まで減少しています。

テレワーク実施率

(出典)国土交通省

首都圏と地方都市圏

次に、首都圏と地方都市圏におけるリモートワークの実施率を比較してみましょう。

国土交通省の調査によれば、2020年4~5月の緊急事態宣言下の首都圏における実施率は31.4%、地方都市圏では13.6%という結果になりました。

首都圏は地方都市圏に比べ約3倍ほど実施割合が高いことが分かります。

リモートワーク実施率

(出典)国土交通省

また、2021年においても、東京都では2月の緊急事態宣言下で64.8%、8月の緊急事態宣言下では65.0%と、多くの企業がリモートワークを実施しました。宣言が解除された月でも56.4%と半数以上の企業がリモートワークを実施していました。

東京都リモートワーク実施率

(出典)東京都

従業員数別比較

次に、従業員数別に企業のリモートワーク実施率を比較します。

東京都が2021年8月に実施した調査によれば、従業員数300人以上の企業では実施率84.6%、100~299人の企業で71.9%、30~99人の企業で59.0%という結果になりました。

従業員数が多い企業ほどリモートワークの実施率が高い傾向にあります。

従業員別リモートワーク実施率

(出典)東京都

実施回数(週何回リモートワークしているか)

次に、リモートワークの実施頻度を期間ごとに比較します。

公益財団法人 日本生産性本部の調査によれば、2020年5月時点では「週5日以上」と答えた企業の割合は全体の9.5%であったのに対し、2021年4月には20.4%まで上昇しています。また、同期間の「0日」と答えた割合は32.1%から18.5%まで減少しています。

リモートワーク実施頻度

(出典)公益財団法⼈ ⽇本⽣産性本部 

業種別比較

最後に、リモートワークの普及率を業界別に比較します。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によれば、最も実施率の高いのは「情報通信業」。リモートワークを「会社の制度として認めている」割合は56.3%、「会社の制度はないが、実施する従業員はいる」割合は34.5%と、制度の有無にかかわらず実施率自体は高いことがわかります。

業種別リモートワーク普及率

(出典)三菱UFJリサーチ&コンサルティング

全体の「会社の制度として認めている」割合が14.3%にとどまっていることからも、情報通信業の実施率の高さがわかります。

また、「導入・実施していない」の割合が最も高い業界は「医療・福祉」で86.9%、次いで「鉱業、採石業、砂利採取業」が83.3%となっています。

つまり、リモートワークとの親和性は業界によって大きく異なるため、実施率にも大きく差があることがわかります。

テレワークを実施していない理由

企業がテレワークを実施しない理由とは、どのようなものがあるのでしょうか。

多くの企業が指摘しているのが、業務内容とテレワークの親和性の低さです。国土交通省の調査によると、テレワークを実施していない理由として「仕事内容がテレワークになじまない」と答えた企業が約62%と最も多く、次いで「会社から認められていない」が約14%を占めています。

リモートワークを実施しない理由

(出典)国土交通省

また、総務省の資料によれば、「テレワークに適した仕事がないから」といった理由のほかに、「業務の進行が難しいから」という理由も指摘されており、ハード面というよりソフト面の課題があることがわかります。

リモートワークを実施しない理由

(出典)総務省

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査では、上記に加えて「状況セキュリティの確保が難しいから」「紙の書類・資料が電子化されていないから」「テレワークできない従業員との不公平感が懸念されるか ら」「従業員の勤怠管理や在席・勤務状況の確認が難しいから」「情報通信機器等の導入費用がかかるから」「メリットが感じられないから」等の理由も一定数存在することが指摘されています。

リモートワークを実施しない理由

(出典)三菱UFJリサーチ&コンサルティング

これにより、テレワークを実施しない理由は業務の親和性の問題のほかに、業務の進行や情報セキュリティ、書籍の電子化問題など、改善の余地のあるものも含まれていることがわかります。

リモートワークに適した環境とは?

新型コロナウイルスが終息した後もリモートワークを実施したいと考えている企業は多いのではないでしょうか。

そのためにも、社員が快適でスムーズなリモートワークを行えるよう、リモート環境をより改善していく必要があります。

リモートワークに適した環境にするために必要なツールを詳しく解説していきます。

リモートワークを導入するために必要なツール

リモートワークを成功させるためには、事前にしっかりとした準備が必要です。特にコミュニケーションの面では、外部ツールを活用して準備を整えましょう。

どのツールを必要とするかは、企業の業種や業態によって異なります。遠隔にいる従業員とのコミュニケーションや勤務管理のために必要不可欠です。

  • 勤怠管理ツール
  • Web会議ツール
  • コミュニケーションツール
  • イヤホン
  • カメラ
  • ワークスペース
  • 在宅手当て

従来はオフィスで従業員同士が顔を合わせていたため、その場の会話でコミュニケーションを取ることができました。しかし、リモートでの勤務となると、必要な時にコミュニケーションが取れるとは限りません。

そのため「Chatwork」や「Slack」といったWeb上でコミュニケーションを取れるツールの導入が必要です。これらのツールは、チャット機能の他にタスク管理やファイルの添付も可能なので、遠隔でも効率よく業務を進めることができます。

どのツールを採用すれば良いか分からない方はぜひお読みください

ツールに関しては、別記事「遠隔コミュニケーションを実現する方法や事例を徹底解説」にて解説していますので、合わせてお読みください。

勤怠管理ツール

2019年4月に施行された働き方改革の一環で、労働時間の客観的な管理が企業に義務付けられました。そのため従業員がリモートワークを行う際にも、労働時間をしっかりと記録する必要があります。

またリモートワークは、従業員の勤務を直接確認することができないので、長時間労働を招いてしまうことがあります。働きすぎを防ぐためにも、勤怠管理ツールの導入は不可欠です。

勤怠管理ツールには、給与計算や人事労務に関する各種書類手続きが合わせて行えるものが多くあり、管理業務の負担を減らすことができます。

テレワークで従業員の勤怠管理をするには?管理のポイント、おすすめツールなどを紹介

勤怠ツールに関しては、別記事「テレワークで従業員の勤怠管理をするには?管理のポイント、おすすめツールなどを紹介」にて解説していますので、合わせてお読みください。

Web会議ツール

Web会議ツールを活用すれば、遠隔でもお互いの顔を見ながら会議ができます。最近は高画質で接続が安定したツールが多く、ストレスなく円滑に会議を進めることが可能です。

最大で12名の同時接続が可能なツールもあり、1対1だけでなくチームでミーティングをすることができます。資料や画面の共有もできるので、リモートワークを導入する企業には必須のツールです。

映像や音声を用いて従業員とやり取りをするWeb会議ツールは、ベンダーから様々な製品が提供されています。

遠隔会議とは?導入するメリットとおすすめツール10選をご紹介

自社に導入すべきおすすめツールを知りたい方は、別記事「遠隔会議とは?導入するメリットとおすすめツール10選をご紹介」にて解説していますので、合わせて参考にしてください。

「Zoomミーティング」

Zoomミーティング

(出典)Zoom公式ページ

Zoom ミーティングは、世界各国75万以上の企業や組織で利用されているWeb会議サービスです。

通信速度が比較的低速なネットワーク回線でも途切れにくく、音声の途切れがほとんどありません。

Web会議の開催にライセンスを取得する必要があるのは主催者のみで、参加者は会議アドレスへ招待されることで、ブラウザから誰でもWeb会議へ参加できます。

13年連続Web会議の国内シェアNo.1(※)を獲得しているブイキューブが提供するZoom ミーティングの有料版では、ミーティングの映像や音声を録画・録音してクラウド保存しておくことが可能です。

投票機能ユーザー管理機能もついており、ビジネスシーンでも快適に利用することができるでしょう。

また、プランに問わずメールでのサポート体制を提供しています。エンタープライズプランでは企業に合わせて導入・運用を支援してくれるなど、利用者に最適なサポートが充実しています。

※「2020 ビデオ会議/Web会議の最新市場とビデオコミュニケーション機器・サービス動向」調べ

Zoomの有料版を使うべきメリットとは?

Web会議ツールZoomの有料版を使うべきメリットについては、「Zoomの有料版を使うべきメリットとは?無料プランとの違いや決済方法を解説」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

「EventIn」

EventIn

(出典)EventIn

EventInは、オンラインイベント・展示会に最適な多機能ブース型のイベントプラットフォームです。

会場内に複数ブースを設置することができ、交流型サービスでは最多の最大300ブースまで表示可能です。また、1画面で多数のブースを表示し、ワンクリックで移動できるため回遊性も抜群です。

プレゼン・トーク・展示とさまざまな内容を網羅した多機能ブースで、複数の講演の同時開催も可能です。

参加者の事前申し込みから事後のログ出力まで一括で管理しており、簡単にデータを活用できます。

「Google Meet」

Google Meet

(出典)Google Meet

Google Meetは、Googleが提供しているビデオ会議サービスです。Googleアカウントさえあれば、無料ビデオ会議を作成し、最長60分の会議に参加者100人まで招待することが可能です。

会議の録画やライブ配信、管理機能などの追加機能が必要な場合は有料プランがおすすめです。

Googleカレンダーから簡単に招待を送ることができ、招待されたゲストはブラウザから会議に参加できるため、ソフトウェアをインストールする手間がかかりません。

Google MeetとZoomの違いとは?比較表で特徴を解説

Google Meetの機能の詳細やZoomとの比較については、「Google MeetとZoomの違いとは?比較表で特徴を解説」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

「Slack」

Slack

(出典)Slack

Slackは仕事上で必要なコミュニケーションを1か所に集約できるコニュニケーションツールです。

個人宛のメッセージはもちろん、プロジェクトごとにチャンネルを作成することができ、メンバーを招待してグループチャットを利用できます。

また、社外パートナーとの連携も可能なので、社内外問わずコミュニケーションを一括で管理できます。

リモートワークを実施するうえで重要なのが、気軽にビデオ会議ができる環境を整えることです。可能な限り仕事専用のスペースを作るなどして、会議中に同居人の生活音や背景への映り込みがない環境を確保しましょう。

その他オンラインコミュニケーション

また、リモートワークでは社内のコミュニケーションが希薄になりがちです。コミュニケーションツールをうまく活用し、オンラインでもコミュニケーションの機会を増やしましょう。

その際、用途に応じてツール選択ができるように環境を整えておくことも重要です。

例えば、オンラインでオンライン飲み会を開催する場合は、オンラインでの飲み会・歓迎会に特化したサービスを活用するのもおすすめです。

「たくのむ」

blog-remotework-point-10

(出典)たくのむ

たくのむは、ログイン不要、アプリ不要で簡単にオンライン飲み会が開催できるサービスです。

無料で6人まで招待でき、時間無制限で使うことができます。また有料版(現在準備中・500円/月予定)にアップグレードすることで12人まで招待可能になります。(2022/01/11時点)

「ノンピ」

ノンピ

(出典)株式会社nonpi

Nonpi foodboxは、オンライン飲み会やランチミーティングに合わせて料理や飲み物をそれぞれの自宅に配送できるケータリングサービスです。

全国に配送可能、最大3万人まで対応可能で、季節に合わせた料理が届きます。

イヤホン

Web会議では、音声の聞きづらさやハウリングといった問題を解消するために、マイクが必要不可欠です。おすすめはイヤホンとマイクが一体化したマイク付きイヤホンです。

Web会議の「ノイズ問題」解決におすすめのヘッドセット3選!抑えておきたい必要性と選び方

Web会議用ヘッドセットについては、「Web会議の「ノイズ問題」解決におすすめのヘッドセット3選!抑えておきたい必要性と選び方」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

カメラ

最近ではパソコンにカメラがついている場合も多いですが、パソコンのカメラの画質が悪い、あるいはカメラの位置が低くて映りが悪くなるといった問題が起こるケースもあります。その際の解決策としては別のカメラを用意するのがおすすめです。

Web会議用カメラについて詳しく知りたい方は合わせてお読みください

Web会議用のカメラの選び方やおすすめの製品については、「Webカメラのおすすめ7選!機能・目的別に選び方を徹底解説」「テレワークに必須のWebカメラ厳選4選!導入から運用方法まで徹底解説」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

ライト

Web会議ではカメラ映りも重要な要素です。しかし、家の照明だけでは表情が暗く、印象が悪く見えてしまう可能性もあります。Web会議用のカメラを使うことで、表情を明るく見せ、相手に好印象を与えることが可能です。

ライトにはスタンドタイプとクリップタイプがありますが、それぞれメリット・デメリットがあります。自分の用途にあったタイプを選びましょう。

スタンドタイプ

メリット:光のあたる角度や置く位置を調整できる

デメリット:場所を取る(小さい机などに置けない)

クリップ

メリット:場所を取らない、コンパクトなものが多い

デメリット:光の位置の調節が難しい、光が弱い

どちらのタイプを選んでも、光の調節が何段階もあるライトがおすすめです。作業環境や用途に合わせて商品を探してみてください。

ワークスペース

Web会議には、ツールだけでなく実際に会議を行う環境も重要です。周囲が騒がしいと会議の音声に影響を及ぼし、参加者に不快な思いをさせてしまいます。また、ビデオの背景にビジネスの場にふさわしくないものが映り込んでしまう事態も避けるべきです。

Web会議に最適な作業環境を提供するためのサービスにはさまざまなものがあります。これらのサービスを上手に活用して、快適にWeb会議を行える環境を整えておきましょう。

「TELECUBE」

TELECUBE

(出典)TELECUBE

TELECUBEは、オフィスに設置できるWeb会議用の個室ブースです。防音性が高く、周囲を気にせずにWeb会議や面談、少人数の会議などを行うことができます。サブスクリプションサービスもあり、お試しや短期間だけ導入したい場合にも対応しています。

「サテライトオフィス」

サテライトオフィスとは、企業の本社とは離れた場所に設置されたオフィスのことです。社員が本社よりも自宅に近い場所にあるサテライトオフィスを活用することで、通勤時間を削減しつつ、オフィスワークのメリットも享受することができます。

オフィスなので、Web会議のための環境整備も必要ありません。

「コワーキングスペース」

コワーキングスペースとは、リモートワーカーやノマドワーカーが業務を行う場所を提供している施設のことです。コワーキングスペースでは、業務を行う場所が個室ではなくカフェのようなオープンスペースになっていることも多いですが、Web会議用のブースや集中ブースといった個室が用意されている場合もあります。

椅子・机など費用負担(手当)

ツール環境や在宅環境を整えるのには多くの出費がかかります。そのため、社員の快適なリモートワークを促進するために在宅手当を取り入れている企業もあります。

在宅勤務手当はなぜ必要?支給のメリットや各社の制度を総まとめ

在宅勤務手当については、「在宅勤務手当はなぜ必要?支給のメリットや各社の制度を総まとめ」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

リモートワークを導入する際のセキュリティ対策

リモートワークを導入する際に、注意をしたいのがセキュリティ対策です。

従業員がカフェやコワーキングスペースといった公共スペースで作業するシチュエーションが増えるので、今以上に万全なセキュリティ対策が必要となってきます。

セキュリティソフトのインストール

従業員には、会社が指定したセキュリティソフトがインストールされている端末での作業を義務付けましょう。

昨今ウイルスや不正アクセスによって、個人情報や顧客情報が流出するケースが増えています。会社からセキュリティソフトをインストールしたPCを支給する、もしくは従業員の私物の端末にセキュリティソフトのインストールを義務付けることによって、安全な環境での業務を遂行することができるようになります。

端末の紛失や盗難への対策

セキュリティソフトをインストールしても、物理的に端末を紛失する、盗難に合うといったケースがあります。

万が一このような事態になった場合でも、端末にパスワードを設定することやデータ暗号化の技術を利用することによって、重要な情報の流出を防ぐことができます。

従業員のセキュリティ意識の徹底

そして何より大切なのが、従業員のセキュリティへの意識を徹底することです。セキュリティソフトやパスワードの設定を行なっていても、カフェやコワーキングスペースなど公共スペースで業務を行う際に、第三者から覗き見されることがあります。

リモートワークを行う従業員それぞれが企業の機密情報に対して、強いセキュリティ意識を持ち、業務場所や業務方法に細心の注意を払うように徹底する必要があるでしょう。

リモートワークの成功事例

ここから実際にリモートワークを社内の制度として導入している企業をみていきましょう。

リモートワークといっても企業によって、制度はさまざまです。事例を参考に、自社に最適な 導入方法を探っていく必要があるでしょう。

リモートワークが社内制度として浸透し多くの社員が活用|日産自動車

日産自動車

(出典)日産自動車株式会社

「日産自動車株式会社」は、従業員の多様性を活かす「ダイバーシティー&インクルージョン」の一環として在宅勤務制度を導入しています。

製造工程を除く全従業員に2014年1月より、最大で月40時間までの在宅勤務の利用を開始しました。また育児や介護との両立者は、所定労働時間の50%まで上限を拡大。従業員一人ひとりのライフスタイルや価値観を重視した働き方を提供しています。

また、従業員に積極的に在宅勤務制度を利用してもらうために、活用事例を紹介する専用サイトの立ち上げやメルマガの発行。結果的に社内の制度として浸透し、多くの従業員が活用しています。

個人情報を扱う業務に関しても一部在宅で可能|アフラック生命保険

アフラック生命保険

(出典)アフラック生命保険株式会社

「アフラック生命保険株式会社」は、働き方改革「アフラック Work SMART」を実施。全社員が時間と場所に捉われない働き方を実現する環境整備を行なっています。

全社員が在宅勤務制度の利用が可能。情報漏洩対策に有効なシンクライアント形式のPCやタブレットを支給することによって、個人情報を扱う業務に関しても一部在宅での勤務を許可しています。

また、首都圏を中心に全社員が利用できるサテライトオフィスやコワーキングルームを設置することによって、自宅では作業が捗らないという従業員でもリモートワークを気軽に利用することができます。

リモートワーク利用者の71.8%が生産性の向上を実感|カルビー株式会社

カルビー株式会社

(出典)カルビー株式会社

カルビー株式会社は、2017年4月よりモバイルワーク制度を開始。従来より週2日を限度とした在宅勤務制度があったが、利用上限を撤廃し、自宅以外での勤務も可能にしました。

カルビー本社(丸の内)に勤務する約半数以上の社員が制度を利用し、利用者の71.8%が業務効率が向上したとアンケートに回答しています。また利用者からは、「通勤ラッシュの疲労がなく快適に仕事できる」との声が聞かれています。

まとめ|リモートワークの今後

コロナ禍で多くの企業に普及したリモートワークですが、緊急事態宣言中と解除後では実施率が変動し、今は最も多い時期と比較すると微減している状況です。

その一方で、リモートワークのメリットを感じている人は多く、リモートワークを実施している企業の過半数がアフターコロナの時代もリモートワーク利用を推奨しています。

今後もリモートワークを継続するためには、メリットを活かし、デメリットを改善していくことが重要です。また、社員により良いリモートワークをしてもらうためには、ツールやコミュニケーション、ワークスペースの整備などの工夫が必要不可欠です。

ブイキューブ
著者情報ブイキューブ

ブイキューブは映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダとして、世界中どこにいても働ける働き方・環境の実現を目指しています。創業時よりテレワークを活用し、2016年には総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されました。

関連記事