社内イベントを成功させるカギはゲーム企画!企画の流れやポイント・おすすめのゲームを解説

テレワーク導入による対面コミュニケーションの減少や、組織に対する帰属意識の低下などによって、一体感の醸成に悩みを持つ企業もあるのではないでしょうか。こうした場合に効果的なのが、交流を活性化させる社内イベントです。

社内イベントのなかでゲーム企画は、カジュアルな雰囲気をつくり出し心理的な垣根を取り払う効果があるため、コミュニケーションのきっかけとなったり、参加意識を高めたりする重要な役割を果たします。

しかしながら、「マンネリ化した社内イベントを盛り上げられるゲームがないか」「ゲームを企画をしたいが手順や具体策がわからない」といった悩みを持つ担当者もおられるのではないでしょうか。そこで今回は、効果的なゲーム企画を決める手順やポイント、具体的なゲーム企画例を解説します

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社内イベントにおけるゲーム企画の重要性

株式会社JTBコミュニケーションデザインの「社内イベントのコミュニケーション効果に関する調査」によると、社内イベントの成功要因のトップ3は以下の通りでした。

1位「オンライン開催で、参加しやすかったこと」(41%)
2位「社員全員が同時に同じ体験ができたこと」(40%)
3位「同僚や上司とコミュニケーションの機会が持てたこと」(26%)

1位は利便性についてですが、2位、3位はいずれもイベントにおける一体感に関する内容であることに注目してください。

この一体感を高める役割を果たすのがゲーム企画です。フリートークよりもゲームを通じたほうが話しやすいゲーム企画はイベント参加へのモチベーションを高められます。

また、フリートークよりもゲームを通じたほうが話しやすいため、普段疎遠な人とのコミュニケーションのきっかけを与えたりするのに役立ちます。そのため、社内イベントのプログラムには、ゲーム企画を入れるのが一般的です。


ゲーム企画の立て方・流れ

社内イベントにおけるゲーム企画の重要性を確認できたところで、ゲーム企画の立て方・流れについて説明します。

予算や時間の決定

はじめに予算と時間の大枠を決めておいたほうが、ゲームの企画を立てやすくなるため、社内イベントの企画段階で、予算とゲームの所要時間を、大体でよいので決めておきましょう。だいたいの枠組みを決めておくことにより、ダラダラと間延びしたイベントになることを防げます。ゲーム企画のことだけではなく、はじめの挨拶から締めまで最初に決めておくとよいでしょう。

目的とゴールの設定

社内イベントでゲーム企画をするときには、最初に目的とゴールを設定しましょう。仮に目的が「交流促進」であれば、この目的に合わせてゲームも企画するのが基本です。目的・ゴール、それに合わせたゲームの内容は社内イベントによって異なりますが、代表例を以下に挙げます。

目的・ゴール

内容

交流促進

・複数の部署でチームを作って動くゲーム

・強制的に会話をするゲーム

チームビルディング

・チームの共同作業が必要なゲーム

関係性構築のきっかけ作り

・お題を提示し自分のことを話すようなゲーム

・ゲームの一環として自己紹介をする

このように目的やゴールに合わせてゲームの企画内容は異なるため、ゲーム企画をたてる前に決めておいたほうがよいでしょう。

社内イベントの目的はどう作成する?

社内イベントの目的はしっかり定義すべき!その効果や成功のコツとは」で詳しく解説しています。

 

参加者の整理

目的が決まったら、参加者の名簿などを作成し、整理していきます。参加者の情報で把握するべき項目例は以下のとおりです

・参加者の氏名
・連絡先(メールアドレス・電話番号)
・参加者の部署、役職など

参加者の情報を管理するにあたっては電子メールや紙媒体でもできますが、イベント管理システムを用いると効率的です。イベント管理システムとは、社内イベントを宣伝するためのWebページや申し込みフォームを作成できるシステムです。

イベント管理システムを用いれば、登録されたメールアドレスにリマインドメールを送ったり、チケット代わりになるQRコードを発行したりできます。

開催形式の確認

オンライン、オフライン、ハイブリッドのいずれの開催形式でゲームを行うか決めます。各方式の概要と特徴は以下のとおりです。

 

方式

メリット

デメリット

オフライン

イベント会場や社内などでゲームを行う

・臨場感がある

・コミュニケーションが取りやすい

・会場費、参加者の交通費などがかかる

・会場から遠方の人は参加しにくい

オンライン

オンライン上でゲームを行う

・コストを抑えられる

・場所によらず参加できる

・リモートで距離感が出るため、盛り上がりにくい

・参加者同士のコミュニケーションに工夫が必要になる

・通信、危機トラブルの可能性がある

ハイブリッド

・オンライン・オフラインのどちらからでも参加できる形式

・複数のリアルの会場をオンラインでつなぐ場合もある

・参加しやすい方法を選んでもらえる

・複数の会場、事業所を結んで大規模な社内イベントにできる

・ゲーム進行がしにくい場合がある

・オンラインとオフラインの参加者で温度差が出る可能性

・通信、危機トラブルの可能性がある

上記のうち、近年人気なのはハイブリッド形式です。

株式会社JTBコミュニケーションデザインの「社内イベントのコミュニケーション効果に関する調査」によると、良かったイベントの開催方式の約60%がハイブリッド式で、最も多くの割合を占めています。その背景には、コロナ禍をきっかけにテレワーク導入が進んだことや、参加者が自分の都合のよい参加方法を選べることがあります。

ゲームコンセプトの考案

続いてゲームのコンセプトを検討していきます。具体的な検討項目は以下のとおりです。

・目的・テーマ
・ゲームのジャンル
・プレイの形式
・ゲームの種類

コンセプト作りで重要なのは、「参加者全員が同じ体験ができる」「いろいろな人とコミュニケーション機会が持てる」という点です。繰り返しになりますが、「社内イベントのコミュニケーション効果に関する調査」によると、社内イベントの成功要因が、これら2つの要素に関係しているからです。

そのため、一般的にはチーム戦や協力プレイを選びます。ただし、オンライン、ハイブリッド形式でチームプレイが難しいなら、1人で参加できるゲームでもよいでしょう。

いずれにしても、ゲーム企画は社員が参加したいと思うような、楽しい内容にすることが大事ですので、気軽に参加できるゲームが適しています。過度な緊張を強いるようなゲーム、プライベートを暴露しなければならないゲームなどは避けるのが基本です。

ゲームの詳細を詰めていく

ゲームコンセプトが決まったら、以下のような詳細を詰めていきましょう。

・ゲームルール、プレイヤーのガイドライン
・ゲームの難易度、質問権やヒントの有無
・ゲームの所要時間、制限時間
・ゲームの報酬(表彰、景品の有無など)

社内イベントは年齢や部署などさまざまな人が参加するため、誰もが理解しやすいルールにするのが基本です。そのうえで、ゲームの面白味や参加者のモチベーションを高めるために、適度な競争意識や達成感を持てる内容がよいでしょう。

表彰や景品はイベント参加のモチベーションアップに効果があります。表彰では、順位だけでなくキラリと光る活躍をした人に与えるのもよい方法です。「社長賞」や「MVP」といった表彰を設けると、誰が選ばれるのだろうというワクワク感を演出できます。

景品は、使い道を自分で決められるギフト券やにするとさまざまな趣味の人に合わせられます。盛り上げ効果を期待するなら、高級家電や高級グルメギフトのような豪華賞品などにしてもよいでしょう。

社内イベントの景品の選び方

社内イベントの魅力的な景品の選び方|参加者に喜ばれる秘訣を解説」で詳しく解説しています。

会場や必要な物の準備

続いてゲーム開催に必要な場所や物を準備していきます。開催形式やゲーム企画によって準備内容は変わりますが、一例を以下に示します。

・会場やオンラインプラットフォーム(Zoom、Google Meetなど)
・必要なアイテム(質問カード、ストップウォッチ、景品など)
・運営機材(マイク、配信用パソコン、カメラなど)

イベント会場を使う際は、アイテムや運用機材をレンタルできる場合もあります。レンタルする物と会社側で持ち込む物を仕分けしておきましょう。

リハーサル・テスト

本番前にリハーサル・テストを行います。なるべく実際に近い環境を用意して、進行役(ゲームマスター)や裏方役、参加者の受け付け役などが、各自の動きを確認します。

実際にプレイしてみると、ルールで分かりにくい点やプレイ時間などを把握できるでしょう。また、リハーサル・テストは進行役にとって貴重な練習機会です。ゲームを仕切る進行役は盛り上がりに大きく影響しますので、リハーサル・テストでイメージをつかんでおくとよいでしょう。

ゲームの実施

本番では、ゲーム開始前にルールや注意点を丁寧に説明します。ゲームの種類にもよりますが、全員の前で一度行ってみると、参加者が理解しやすいでしょう。

また、ゲームを始める前に表彰や景品の贈呈など、モチベーションを高めるアナウンスもしておきます。オープニング動画やBGMを流して、ゲームが始まる雰囲気を作るのも効果的です。

ゲームを開始したら、進行役は積極的に参加者と対話したり、実況中継したりして場を盛り上げます。グループワークの際は、こまめにグループを回って状況を確認しましょう。活気のないグループがあれば、進行役が橋渡し役となってコミュニケーションを促します。

オンライン開催においても、司会役が場を盛り上げるように心がけましょう。複数のグループに分かれてゲームをする場合運営者が各グループを巡回してコミュニケーションを促すようすることもおすすめです。

評価と改善

ゲーム後は、実施結果や参加者のフィードバックをまとめて評価レポートを作りましょう。リサーチ方法としては、参加者からのヒアリングやアンケートが代表的です。

ヒアリングは参加者の声を聞き、詳しい情報を入手するのに適しています。一方、アンケート調査は「楽しかった・楽しくなかった・どちらでもない」などの分かりやすい質問で、定量的に成果測定するのに向く方法です。

評価においては、社内イベントの目的に貢献できたかどうかがポイントになります。ヒアリングやアンケートでも、目的への貢献度を測る質問を中心に構成しましょう。調査の結果問題があれば、原因を特定して次回以降のイベントに向けて改善につなげます。

社内イベントにおけるゲーム企画の具体例

ここからは社内イベントにおけるゲーム企画の具体例を、目的・ゴール別、開催形式別に紹介します。

目的・ゴール別のおすすめゲーム企画

まずは目的・ゴールごとに、実際の企業事例を交えながらゲーム企画を紹介します。

組織との一体感を熟成「オリジナルクイズ大会」

会社や仲間への理解を深めるために効果的なのが、自社にまつわるクイズを出題する「オリジナルクイズ大会」です。オリジナルクイズ大会は準備や実施の負担が少ないうえ、身近な話題を取り上げることで参加意識を持たせやすいメリットもあります。

株式会社武田エンジニヤリング様では、創立50周年式典にオリジナルクイズ大会を取り入れました。式典のテーマが「従業員同士のつながり」と「組織の一体感」でしたので、今までの社歴を振り返りながら、初めての人同士でも交流しやすいクイズを多く出題したということです。

クイズを盛り上げるために、テーブル単位でチームを組ませて回答する形式を取りました。また、モチベーションを高めるために、3位以上に景品を出しています。

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縦横斜めの関係性構築「謎解きゲーム」

謎解きゲームとは、チームで協力しながら、謎を解いていく定番のゲームです。一例を以下に示します。

・お題・目的:怪盗に会社のロゴを盗まれた。社員のみんなで謎を解いて取り戻そう
・ゲーム内容:暗号解読
・ゲームの流れ:小謎5~6問を解いて大謎のヒントを入手→大謎を解く→謎解きのメッセージを入手
・難易度:参加者の7~8割くらいが謎を解ける程度
・所要時間:60分程度

アイムファクトリー株式会社様は縦横斜めの関係性構築を目的に、謎解きゲームを実施しました。チームで謎解きゲームに取り組んでもらうことで、交流を活性化させるのが狙いです。

従来行っていた謎解きゲームは、会社やビジネスについての問題がメインでしたが、一般的な内容の割合を増やしたことで、新入社員のように勤務経験が乏しい人からも意見が出やすくなったといいます。また、幹事の人たちも楽しめるように、コンテンツ制作や演出を外部業者に任せたことも、成功要因だったそうです。


コミュニケーション促進「いいせんいきましょうゲーム」

「いいせんいきましょうゲーム」とは、他のプレイヤーが回答する数値の平均を予想するゲームです。例えば、「納豆をおいしく食べるには、何回かき混ぜる?」のようなクイズを出して、平均値を予測します。

いいせんいきましょうゲームは正解を競うゲームではないため、気軽に参加できるのが特徴です。自由な意見が出やすく、チーム対抗戦にするとチーム内での会話も盛り上がるでしょう。ルール説明も簡単で、すぐにゲームをスタートできる点もメリットです。

es SOLUTIONS 株式会社様は、10周年記念イベントをカジュアルに演出したいという目的で、チーム対抗戦形式の「いいせんいきましょうゲーム」を実施しました。社内の記念イベントなど、フォーマル感が強くなりやすいイベントでも、こういった気軽なゲームを挟むと、参加者がリラックスしてコミュニケーションが活発になりやすいでしょう。

開催形式ごとのおすすめゲーム企画

ここまでオフライン形式のゲーム企画を紹介してきましたが、オンライン形式、ハイブリッド形式では、どのようなゲーム企画が向くのでしょうか。2つの事例を紹介します。

ITツールを活用したオンラインでの「バーンガ」

オンラインのゲーム企画は、リモートのため参加者同士のコミュニケーションを取りにくく、進行役が一方的に進める形式になりやすい傾向があります。このデメリットを解消するには、コミュニケーション機能が充実したITツールの導入が効果的です。

例えば「EventIn」なら、パソコン画面上のバーチャルオフィスに、雑談スペースや共同作業用オープンスペース、会議室などが表示されます。社員はお互いの状況を確認しながら、リアル空間と同じように場所を移動して、雑談や相談、ミーティングなどができるのが特徴です。

EventInをゲーム企画に応用すると、例えば「バーンガ」がオフラインに近い形で実現できます。バーンガとは、異文化やダイバーシティ(多様性)の疑似体験を目的としたゲームです。

一定時間ごとにメンバーが入れ替わりながら、グループごとに違うルールでゲームを行います。会話は基本的に禁止でルールを聞くことなどもできません。ジェスチャーはできますが無言でゲームを進めるのが特徴です。

バーンガは従来、複数のテーブルが用意された会場でなければ実施しにくいゲームでした。しかし、EventInがあれば、オンラインでもこのような身振り手振りでコミュニケーションをとるゲームが可能です。


ハイブリッド形式での「オリジナルクイズ大会」

ハイブリッド形式でのゲーム企画では、オンラインとオフライン、またはオンラインで結んだ複数のイベント会場において、平等に楽しめる内容にしなければなりません。そのためゲーム企画の難易度は比較的高くなります。

そのような弊害がある中でおすすめなのは、先述した「オリジナルクイズ大会」のようにシンプルで、進行管理しやすいゲームです。ただし、どうしてもオンラインで参加している人にとってはオフラインより臨場感が薄れるため、進行役の盛り上げや、BGM・効果音などの演出が重要になります。

また、配信トラブルが起こるとオンラインの人だけゲームに参加できず、オンライン参加とオフライン参加の人で不公平になってしまいます。そのため、バックアップ機材やトラブル対応の人員などを手厚くしておくような対策は必須でしょう。

なるべく問題を起こさず確実にイベント開催を成功させるのであれば、イベント会社に依頼したほうが安心です。


社内イベントでゲーム企画は重要!業者に任せるのも方法の一つ

テレワーク導入によるコミュニケーションの希薄化や、組織に対する帰属意識の低下などに伴い、社内イベントの重要性が見直されるようになりました。社内イベントの参加意識を高めるために重要なのがゲーム企画です。自社の目的や開催形式に合った企画を考えていきましょう。

とはいえ、「盛り上がる企画が思い浮かばない」「機材や人手が足りない」といった悩みを持つ会社は少なくありません。

イベモンでは本記事でも紹介したようなゲーム企画を多数手がけています。ゲーム企画を通じて企業と従業員の関係性を向上させるエンゲージメントプロデューサーとして、貴社をサポート致します。

池下菜都美
著者情報池下菜都美

株式会社ブイキューブに新卒入社。 ビジュアルコミュニケーションに関する複数製品のインサイドセールスを経験。現在は、マーケティングコミュニケーショングループにてイベントDX領域における広告運用およびオウンドメディアの編集、ナーチャリングを担当。趣味は映画とダンス。

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