広まるオンラインイベント。メリットや集客方法、運営のコツを解説
新型コロナウイルス感染防止のためにテレワークが推奨される中、リアルな場で開催されていたイベントも、オンラインで実施されるようになってきています。
本記事では、オンラインイベントの開催を検討しているという企業の担当者に向けて、オンラインイベントのメリットや、開催するにあたり直面する課題や対処方法などを解説していきます。
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新型コロナ禍でオンラインイベントのニーズが拡大
新型コロナウイルスの影響により、今までセミナー会場や自社の会議室などで開催していたイベントを、「Web会議システム」や「ウェブセミナーシステム」を活用したオンラインでの開催に切り替える企業が増えています。
イベントの開催をサポートする「Peatix Japan株式会社」が、2020年5〜6月に実施したオンラインイベントに関する調査では、政府によるイベント自粛要請(2020年3月)や、7都府県を対象とした緊急事態宣言(2020年4月)のタイミングから、急激にオンラインイベントの開催数が増加していることが明らかになりました。
4月以降もオフラインイベントの開催比率は高まり、調査結果が公表された2020年6月時点では、新たに開催されるイベントの約8割がオンラインイベントといった結果となっています。
また同調査では、「リアルイベントの開催が難しい現在の状況において、オンラインイベントを主催する意向はありますか?」という質問に対して、全体の94.2%の主催者が「(オンラインいベンチの開催を)これから検討したい」もしくは「すでに開催している」と回答しています。
本記事執筆時点(2020年8月現在)において、新型コロナウイルスは依然、終息したとは言えない状態にあります。
今後も暫くは、オフラインでのイベント開催は難しい状況にあり、オンラインイベントが中心になるであろうと予想されます。
オンラインでのイベントを開催したことがない企業にとっては、オンラインイベント開催の仕組みを整える良い機会かもしれません。
オンラインイベントを開催するメリット
新型コロナウイルスの影響で、急遽イベントをオンラインで開催せざるを得なくなったという企業も多いですが、実はオンラインでの開催ならではのメリットがあるのをご存知でしょうか。
Peatix Japan株式会社の調査では、オンラインイベントの主催者に対して「オンラインイベントに期待すること、利点として考えられるものを全て選んでください」というアンケートを実施しました。
そこから見えてきた、オンラインイベントを開催するメリットについて解説をしていきます。
1. イベント開催のコストを削減できる
説明会やセミナーなどをオンラインで開催することで、今までかかっていた会場のレンタル費用が不要になり、大幅なコストカットに繋がります。
100名を超えるような大規模な会場を借りる場合には、1回の開催につき10〜50万円程度のレンタル費用が必要でした。オンラインイベントに切り替えることで、Web会議システムやウェビナーシステムの月額数万円〜の利用料金にまでコストを抑えることができます。月に数回イベントを開催していたという企業には、大きなメリットとなるでしょう。
またコストカットができるのは、会場費用だけではありません。会場の設営を行うためのスタッフの人件費や交通費、また参加者に配布する資料のコピー代や茶菓代なども削減することができます。
2. 参加者の増加が期待できる
オンラインイベントは集客面でも大きな利点があります。オフラインイベントでは、会場に収容できる人数が、集客できる人数の上限でもありました。
しかし、オンラインイベントでは、Web会議システムやウェビナーシステムで対応できる人数まで参加者を募ることができます。「Zoom」や「V-CUBEセミナー」といったツールを活用すれば、同時に10,000人の参加者に向けてイベントの開催が可能です。
また、オンラインイベントは、オフラインイベントに比べて参加者が気軽に参加しやすいという側面があります。
参加者が会場まで足を運ぶ必要がないことに加えて、参加者がいつでも視聴できるオンデマンドを配信を利用することで、場所や時間を問わずに集客することが可能になります。
3. 地方や海外など遠方のユーザーにアプローチできる
オンラインイベントを開催している主催者からよく挙げられる利点が、今までのオフラインでのイベントとは違った層にアプローチできるという点です。
特に、主要都市でしかイベントを開催していなかった企業にとっては、オンラインイベントは地方や海外など遠方のユーザーが参加できるため、新規顧客開拓のチャンスとなります。
今までアプローチできていなかった層にも商材やサービスをアピールしたいという場合には、非常に有効な策と言えるでしょう。
また、子育て世代や介護などで出社できない在宅ワーカーやモバイルワーカーに対しても、オンラインイベントを活用して、研修やトレーニングを実施できます。
4. 参加者の反応をリアルタイムで確認できる
オンラインイベントは、チャット機能やアンケート機能を活用することで、参加者の反応をリアルタイムで確認できます。
オンラインイベントの開催で担当者が直面しがちな4つの課題と対処方法
いざ、オンラインイベントを開催しようと思っても、どの配信サービスを活用すれば良いか、またどうやって集客をすれば良いかなど担当者は多くの問題に直面します。
ここからは、初めてオンラインイベントを開催する担当者に向けて、よくある4つの課題を対処方法について解説をしていきます。
1. 配信サービスの利用方法が分からない・選べない
オンラインイベントの種類
配信サービスの利用を検討する前に、まず、オンラインイベントの種類・形式について確認しておきましょう。
オンラインイベントは、形式によって大きく以下の3種類に大別できます。
- Web会議型
- ウェビナー型
- テーブル型
Web会議型
Web会議型は、その名の通りWeb会議システムを用いて、全員が話者となって参加する形式です。参加者全員が相互にコミュニケーションを取る場合に利用されます。
たとえば、主催者がイベント参加者からそれぞれの意見を聞き取る必要がある場合などには、有効な開催形式です。
一方で、誰もが発話できる状態だとイベント全体の収集がつかなくなることもあり、参加人数は最大でも2〜30人前後と考えたほうがよいでしょう。
ウェビナー型
「ウェビナー」とは「ウェブ」と「セミナー」をかけ合わせた造語で、オンラインセミナーとほぼ同義です。
この形式では、1〜3人程度を話者として設定し、そのほかの参加者は基本的に聴講するのみとなります。
リアルな会場で一般的に開かれているセミナーと同様、講師が受講者に向かって何かを語ったり説明したりする形式なので、双方向のコミュニケーションはあまり想定されていません。
ただし、ツールによっては講師の側からアンケートを出してイベント参加者に回答してもらったり、参加者がチャットツールで質問を送ったりすることが可能なものもあります。
テーブル型
テーブル型は、上記のWeb会議型とウェビナー型のメリットをあわせた形の一つです。
基本的に話者と聴講者に分かれますが、バーチャルの小さな「テーブル」(小部屋とも呼ばれます)が用意されており、聴講者同士が数人で会話できます。
たとえば、学術会議で全体講演を大ホールで聴いた後、小部屋に移動して小規模なセッションに参加するようなイメージです。
個別にコミュニケーションは取れるけれど大規模に参加者を募りにくいWeb会議型と、大講義を行える一方で双方向のやり取りがしにくいウェビナー型をうまくミックスした形といえます。
合同説明会や各種の展示会といった、複数のブースが設けられているようなイベントをオンライン化する場合にも、このテーブル型が最適でしょう。全体へのオリエンテーションを行った後に、テーブル(小部屋)ごとで話を進めるといったことをオンライン環境で実現できるためです。
オンラインイベントツールの選び方
オンラインイベントツールを選ぶための最初のステップは、開催しようとするイベントが上記の3種類のいずれに該当するかを考えることです。
それぞれのツールには得意とする形式があるため、異なる使い方をすると「登壇者の話をじっくり聞きたかったのに、他の参加者が途中で話に参加したりして集中できなかった」「講師とコミュニケーションが取りたかったのにやり取りできなかった」といったように、参加者の満足度や話の理解度を下げてしまう恐れもあります。
そのため、まずはイベントの形式を固めましょう。
そのうえでツールの特徴を見てみます。ここでは以下の三つの基準によって、その選び方を考えてみます。
- イベントの要件
- 参加者の利用しやすさ
- 開催者の利用しやすさ
イベントの要件
イベントの「要件」とは、つまりイベントの形式です。先述の通り、「登壇者は何人か」「参加者とのコミュニケーションは必要か」といった点をまず確認します。
そのうえで「最大接続可能数」を検討しましょう。
たとえば後述するWeb会議ツール「Zoomミーティング」は、無料ライセンス版では最大100人まで、有料版の「Enterprise」プランでは最大500人までとなっています。
また、ウェビナー型のオンラインイベントツール「V-CUBE セミナー」は、最大2,000人(1部屋あたりの最大入室人数)を相手に最大5人の講師が話すことができます(詳細は後述)。
イベント要件の一つとして、どの程度の参加者を見込んでいるのかという規模感も、ツールを選ぶ際には確認しておくべきです。
参加者の利用しやすさ
有用なイベントツールでも参加者にとって使いにくいものだと参加率や満足度の向上につながりません。
参加者の利用しやすさとして重要になるのは以下の点です。
- ログイン方法
- 対応デバイス
- 専用アプリの要不要
1.ログイン方法
オンラインイベントに参加するためにアカウントとパスワードの作成などが必要だと、ログイン方法としては少し煩雑になります。
招待URLを発行し、そのリンクをクリック/タップすればすぐに参加できるような形だと、スムーズな参加を促せます。
2.対応デバイス
「PCからの参加のみ可能」あるいは「スマホからのみ可能」といったように対応するデバイスが限られているツールだと、必然的に参加できない参加者が増えてしまいます。
この点もツール選択時に確認しておきたい事項です。
3.専用アプリの要不要
対応デバイスが確認できたら、アプリのインストールの要不要も併せて確認しておきましょう。
アプリインストール不要のツールは、Google ChromeやSafariといったブラウザからそのまま参加することができます(一部の機能が制限されることもあります)。
アプリは頻繁に使う場合にはインストールが推奨されますが、普段使い慣れていない人や、セキュリティの関係上アプリをインストールすることができない人も考慮に入れると、インストール不要で動作するツールのほうがベターだと言えるでしょう。
開催者の利用しやすさ
参加者のほかにも、開催者(イベントの主催者)側の使いやすさも重要な選定ポイントです。
たとえば以下のような機能が付帯していると内容面の充実にもつながります。
- イベントページ作成
- オンライン決済
- チャット
- アンケート
- 録画
1.イベントページ作成
オンラインイベントツールを導入し、開催に向けて準備を進める際にネックになるのが、イベント概要を示した「イベントページ」や「申し込みフォーム」の作成です。
こうしたページは独自に作成することも可能ですが、こうした機能が搭載されているイベントツールであれば、簡単に登録情報を管理できたり、視聴用URLを自動で発行できたりと、イベント開催に関する業務を簡略化できます。特に開催頻度が高い場合に役立つ機能です。
2.オンライン決済
有料のオンラインイベントの場合、参加者から料金を徴収する必要がありますが、現金で回収することは難しく、視聴者にとっても開催者にとっても不便であるため、オンライン決済システムが必要となります。
オンライン決済システムを組み込んだイベントツールはそれほど多くはありませんが、たとえば、「Zoomビデオウェビナー」は、「Paypal」と連携し、ウェビナーの申込みと支払いをすべて同じシステム上で完結させることが可能です。
ツールと連携していなくても、外部のオンライン決済システムを利用することは可能ですが、その場合には外部システム上での支払情報とウェビナー参加者のアカウントを突き合わせていく必要があります。
そのため、オンライン決済システムと連携したツールの利用をおすすめします。
3.チャット
話者と聴講者とのコミュニケーション手段がまったくないと、内容が完全な一方通行となってしまいます。チャット機能を有していると質問や疑問点をテキストで受け付けられるようになり、双方向性が生まれます。
4.アンケート
アンケート機能があると、話者から聴講者全体に対して問いかけを行うことができます。これも双方向性を生む機能の一つで、セミナーなどの内容もより聴衆にパーソナライズされたものにできるでしょう。
5.録画
オンラインイベントの内容をイベント終了後に公開したり、コンテンツとして編集・加工したりすることを検討している場合には録画機能の有無が重要になります。
一方で、有料イベントなどの場合には、参加者側が許可なく録画できないように設定しておく必要もあるでしょう。
オンラインイベントを開催するにあたり、必要になってくるのが、イベントの登壇者の映像や音声を配信するため配信サービスです。配信サービスとして、よく用いられるのが「ウェブセミナーシステム」もしくは、「Web会議システム」です。
おすすめのオンラインイベントツール
ここからはオンラインイベントで、よく用いられる代表的な配信サービスを挙げて、違いを見ていきます。
V-CUBEセミナー
V-CUBEセミナーは、大規模なウェブセミナー開催の際に、多くの企業で用いられているツールです。PC・スマートフォン・タブレットなど端末を問わずに、参加できるので、集客機会の最大化に繋がります。
Zoomウェビナー
Zoomウェビナーは、Zoomの有料プランを契約して利用できる機能です。デスクトップPCやノートPC、Androidデバイス、iOSデバイスなど、ほとんどすべてのデバイスに対応しており、セミナーや講義、イベントなど、どのような内容でもユーザーが簡単に参加できます。
最大参加人数は10,000人。チャットやQ&A機能でコミュニケーションを取ることもできます。また、Paypalと連携したオンライン決済も可能なので、有料のウェビナーを開催する場合にも便利です。
Zoom ミーティング
Zoom ミーティングは、全世界に約3億人以上のユーザーを持つWeb会議ツールです。シンプルな操作性が魅力で、扱ったことがない人でも直感的に操作ができ、トラブルが発生しにくいのが特徴です。
月額2,200円 から利用することができ、導入や運用のサポートにも対応しています。
またアドオン(拡張機能)を使うことで、ウェブセミナーシステムとして活用することも可能。最大で10,000名に向けて配信ができる他、Googleカレンダーやマーケティングオートメーションとの連携も可能になります。
Eventin
Eventinはイベント参加者が自由にブースを行き来できるオンラインイベントプラットフォームです。
通常のウェビナー形式と異なり、小規模のセッションを複数用意して、気になるセッションに入室することで双方向のコミュニケーションが取りやすくなっています。
オンラインイベントはツール選びが肝心!最適なツールの選び方を紹介
オンラインイベント用の配信ツールについては、「オンラインイベントはツール選びが肝心!最適なツールの選び方を紹介」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。
2. 集客の方法が分からない
オンラインイベントも集客が非常に重要です。
ウェビナーの集客方法は、大きくオンラインとオフラインに分かれます。
オンライン集客では、インターネットを活用して、低コストに押さえながら情報を広く拡散して集客します。SNSで話題性を作るなどして、大人数を集客したいウェビナーに向いています。
オフライン集客は、チラシや看板広告といったインターネットを使用しない方法で集客を行います。すでにターゲットが明確に絞られている顧客に対して、直接アプローチする際に適しています。
オンラインの集客方法
- メール
- SNS
- Web広告
- ポータルサイト
- プレスリリース
オフラインでの集客方法
- チラシ
- ダイレクトメール(DM)
- テレアポ
- 広告
ウェビナー集客の手段と6つのポイントを解説
イベントの集客方法については、「ウェビナー集客の手段と6つのポイントを解説」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。
3. イベントでマネタイズができない
もともとは有料のイベントを開催していたものの、オンラインイベントになると、どのように収益化すれば良いか分からないという悩みもよく聞かれます。
オンラインイベントをマネタイズする方法は、大きく分けて2つあります。1つは、有料チケットを販売することです。「Peatix(ピーティックス)」などのサービスを活用することで、イベント名やチケット価格を設定するだけで、簡単に有料チケットを販売できます。
また、集客のサポートや当日の参加状況の確認もスムーズにできるため、活用してみることをおすすめします。
マネタイズするための2つ目の方法は、投げ銭システムを設ける方法です。イベント自体は無料で配信し、配信中に投げ銭を募ることで、収益化をします。投げ銭をサポートする送金アプリ「プリン」などを活用する企業も増えています。
4. 専用機材やスタジオがない
オンラインイベントを開催しようにも、高画質や高音質で配信ができる機材が無い、また撮影するスタジオが無いという悩みをお持ちの担当者も多いのではないでしょうか。
そういったケースでは、最新の撮影機材を備えたスタジオを活用するのがおすすめです。
株式会社ブイキューブでは、高クオリティな配信設備を完備した高級スタジオ「Studio Octo」を都内(白金高輪)と大阪(本町)に用意しています。映像配信のエキスパートによる運用サポートを受けることができるので、初めてオンラインイベントを開催するという企業でも安心して活用できます。
また、VIP用控え室やメイクルームも備えているので、著名な登壇者を招くシーンでも役立ちます。
ウェビナーに最適なスタジオ3選!場所の確保から配信までサポート
オンラインイベント用の配信ツールについては、「ウェビナーに最適なスタジオ3選!場所の確保から配信までサポート」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。
まとめ|プロのサポートを受けて、円滑なオンラインイベントの開催を実現
ここまで、オンラインイベントを開催するメリットや、担当者が直面しがちな課題、そして対処方法について解説をしてきました。
オンラインイベントは、会場のレンタル費用やスタッフの人件費などを削減できるため、通常のリアルな場でのイベントよりも低コストで開催できるという利点や、今までアプローチできなかった地方や海外のユーザーとの接点が持てるといった利点があります。
新型コロナウイルスの影響は、長期化することが予想されますので、今のうちにオンラインイベントを開催するための体制をしっかりと整えていくことが求められます。
オンラインイベントは慣れていないと配信トラブルや集客面で問題を抱えがちです。しっかりとプロのサポートが受けられるサービスを活用していくことも大切です。